IN京都

上映 「ポーランドのアニメーション」

11月3日(木・祝)第一部:17:00〜18:10 


(1) BATHS (浴場)
監督: Tomek Ducki  
プロデューサー: Studio Minature Filmowych  
2013, 4:00

Tomek Ducki制作のこの作品は、現実とファンタジーの境界線へとたどる旅。
二人の熟年女性が近くのスパに出かけ、いつものエクササイズに取りくむ。簡単な準備体操の後、プールに飛び込んだ。今日の水の中の世界は、不思議な光で二人を包み、幻惑する。彼女達はいつもより深く潜ってみることにする。“Baths” (浴場)は、従来のアニメーションとデジタル・アニメーションを組み合わせた作品で、我々の“時間”の解釈について深く内省する。


(2) TO THY HEART (汝の胸に)
監督: Eva Borysewicz  
プロデューサー: Animaso
2013, 10:00

彼は漆黒の黒髪の極め付きのイケメン。立っている姿も格好いい。笑えば瞳が輝く。女は彼にのめり込み、もう頭がどうにかなりそうだ。彼にふり回され、彼の言うことは何でも聞く。彼の甘い囁きが聞きたくて、夜が更け、月が出るまで話してほしい。
だがついに、もう彼に取りすがるのは止めにした。裏切った彼をそう簡単に許すことは出来ない。
Ewa Borysewiczのこのアニメーションは、がらんとした建物の中にこだまする、苦い結末の愛の呪文、愛の物語。


(3) GOVERNANCE OF LOVE (愛の制御)
監督: Adela Kaczmarek  
プロデューサー:Towarzystwo Inicjatyw Twórzych “ê” 2013, 13:00

想像力についてのドキュメンタリー・アニメーション。
主人公は、幾重にも重なる平行現実の中に生きている。実在の人や出来事が、彼の想像力が創り出す世界と互いに絡み合う。彼は今、この世界に居場所を見つけたいと願う。そして自分流の独自の方法でやってみる。ポーランドの愛のルールについて夢見ながら、ある物語を紡ぎだす。物語の純真さにかかわらず、彼の世界は、善と悪についての根源的な概念について、揺さぶりをかけてくる。作者は、精神病患者の内面の世界をアニメーションで表現し、この作品の視覚効果は、主人公自身が即興的に描いたイメージを使用している。


(4) TOTO (トト) 
監督: Zbigniew Czapla  
プロデューサー: Warsztat Filmowy/Krakowaskie Biuro Festiwalowe
2013, 12:00

サスペンスと畏怖に満たされた、さまざまな出来事のモザイク模様、それがこの作品 ”TOTO”。 
純粋無垢な心と未来永劫に戻らない幼児期の夢、という普遍的な物語。さて、我々はこの事象を表現する言葉を持っているのであろうか。持っていない、とすれば一体何が起きたのか、我々には本当のところは分からない。


(5) UNDER CONSTRUCTION (構築中)
監督:Marcin Wojciechowski  
プロデューサー: Fundacja AnimaArt  
2014, 8:00

“心理体操”、あるいは“心理ドラマ”。ドローイングとグラフィックの組合せで描く日記形式の、ナレーションを伴うアニメーション。
人格/人の分解と精神的解体の視覚的表現を探る試み。と同時に、その解体されたものを再構築し統合するという必死の取り組みを表現する試み。“私は何者か?”とか“私は何で出来ているのか?”などという自問を含め、日々の現実との葛藤から生ずる精神状態、これをグラフィックに表現しようとする奇妙なゲームである。


(6) THE THREE KINGS (三人の王)
監督: Anna Blaszczyk
プロデューサー: WjTeam/Anna B³aszczyk
2014, 8:00

宮廷の従者達には気をつかい、庭園をきちんと整備し、あるいはごく簡単な算術の計算もしなければならない、等々という事は、三人の王家の長にとっても気が重い。そんな時、あの輝く星の神秘な光は、日常から解放してくれる救いの手だ。
三人の王、純真なカスパー、内気なメルキオール、そして神経質なバルタザールは、その星の光に導かれて旅立った。旅の間、幾多の困難にぶつかるが、それぞれの得意技を使って乗り越え、それをまた仲間と分かち合う歓び、それを学ぶこととなる。原典の19世紀田園詩に触発され、また、それがこの作品の特徴ある要素でもある。聖書の寓話に基づいてはいるが、そのような情感的なものでは全くなく、テーマは、三人の友達の心躍る冒険物語なのである。


(7) NICHT FARBE/ WITHOUT COLOR (無色) 
監督: Wiola Sowa  
プロデューサー: Literaturwerkstatt Berlin
2014, 6:00

この作品は、ドイツの詩人、Nico Bleutgeの協力を得て制作された。詩は、現在が入り混じる過去の記憶の断片から、詩人の亡くなった祖母について書かれている。詩人の示唆に従い、Wiola Sowaは、不在の誰かの肖像を描きだそうと試み、彼女は誰だったのか、彼女の人生はどんなものだったのかを、観客に暗示させる。


(8) KATACHI/ SHAPE
監督: Kijek/Adamski
プロデューサー:Katarzyna Rup/Ab Film Production
2012, 3:00

トクマル・シューゴの歌「Katachi」のオフィシャル・ミュージック・ビデオ。意識の具象的なストリーム。このビデオは、PVS版からコンピューター制御カッターで切り出した、およそ2,000枚の片々から作られている。